■NHK放送総局長賞 受賞作品■
2009年4月、メキシコで新型インフルエンザが発生した。
瞬く間に全世界に広がり、今世紀初めてのパンデミック、
世界的大流行に発展した。
今回の新型インフルエンザを調査すると、
家畜の豚から移って来たことが分かった。
インフルエンザは、人獣共通感染のウイルス感染症。
あらゆる感染症の中で、最も伝播力が強く、毎年全世界で何万もの人が
このウイルスにかかって死亡している。
調査するうちに分かってきたことは、今回のウイルスは、
90年前に発生し全世界で4000万人の命を奪った
史上最悪のインフルエンザウイルスの末裔であることだった。
インフルエンザウイルスは、有史以来、人類にとって最も身近でありながら、
謎だらけの存在である。
このインフルエンザウイルスの謎に挑む世界の英知たちがいる。
アメリカ疾病対策センター所属 ナンシー・コックス。
オランダエラスムス大学教授 アルベルト・オスターハウス。
東京大学教授 河岡義裕。
東北大学大学院教授 押谷仁。
インフルエンザウイルス研究の世界的権威であるこの4人にインタビューし、
今回のパンデミックから、次にくるであろうさらなる危機や
ウイルスをめぐる様々な問題を語ってもらった。
そこには、貧困、環境破壊、バイオテロなど
これまで知らなかったインフルエンザウイルスを取り巻く問題が、
たくさんはらんでいた。
(90分)