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語られなかった東日本大震災 ~Episode 7~

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『「他人」から「隣人」へ』

「無償でお金の入ってこないボランティアは続かない」

宮城県・気仙沼市で取材した、とあるボランティア活動者の言葉だ。

彼らは静岡のプロダイバー。
震災ニュース映像にほとんど映らない、海中の支援を行っている。
気仙沼市の漁場に潜り、「海のミルク」カキの養殖施設に
からまった漁網やロープを切ったり、斜めに倒れ、海に燃料がもれた
船をまっすぐに起こしたりと、水中に潜らなければできない作業を行った。


(取材中に頂いたカキは、ぷりぷりで美味しかったが、わずかに重油の匂いがした)

彼らは、はるばる10時間ほどかけ、静岡・伊豆から
ダイビング用の大荷物を持って、車でやってきた。
宿泊費、食費はもちろん自腹。当然ガソリンも。
何十本もの酸素ボンベ代も相当なものだった。

支援するには、金がかかる。
身銭を切るわけだから、そう何度もボランティア活動を
することはできない。
当然、食べていくための日々の仕事もある。
ただしこういう視点で放送したニュースは、今まで見たことがない。
現に僕も「頑張ってボランティア支援するダイバー」という放送をした。

支援を受ける側にも、遠慮の気持ちが出てくるだろう。
気仙沼の漁場の人たちも、またダイバーを呼びたいとは
言っていたが、
「他人様に迷惑ばかりかけられない」
と心のどこかで感じているだろうと思う。

「ボランティア、GWを境に激減」というような
タイトルの新聞記事を見た。

「支援活動のイベント化」、大いにいいと思う。
「土日ボランティアツアー」、観光の目玉、
それで助けられる被災者がいる。
ただ問題は、継続しないということだ。
一度限り。

支援のための次の一手は何か、最近よく考える。

それは、「他人」ではなく、「隣人」になることではないか。

つまり、そこに「住む」ことではないか、と思っている。

文責:制作部 黒崎淳友

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